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(その1)厳格なる体罰禁止がもたらす光と陰ー「体罰賛成」ではなく、「体罰禁止厳格化」に反対する

講師名 橋本 唯隆
講師名よみ はしもとただたか
肩書き 教育研究家
都道府県 東京都

プラン詳細

タイトル・演題 (その1)厳格なる体罰禁止がもたらす光と陰ー「体罰賛成」ではなく、「体罰禁止厳格化」に反対する
スタイル区分 講演
想定する受講者区分 教職員
受講者の説明 体罰問題が起こるたびに出る不毛の議論ー「体罰は如何なる場合も許されない」と「荒れる学校現場を『体罰なし』でどうすればいいのか?」
受講者へ提供する価値
・伝えたい事
1 学校の存在意義は「生徒の学力向上させること」か?ー何が良くて、何が悪くなったか?
学校は言うまでもなく、子供が大人になり社会で生きていくための最低限の力を付ける為に存在する。学力を付けることはもちろん重要であるが、その前に社会人としての最低限のルールやマナーや常識が要求される。それは秩序を著しく乱さないことであり、「どんなにやりたくても」騒乱行為、他人への暴行や傷害、器物損壊、教師への侮辱等の許されぬ一線があるということである。その様な時に口頭による指導では制止できないことがある。教師を完全に見下し、怖いものが無くなり、傲慢に溺れ頭に血が登り、大人の指導など耳に入らない時に、体罰と言う実力行使か警察を呼ぶ以外に手段はないと考える。そしてその様な場合以外では、部活の指導などで「気合い入れ、愛の鞭」などには体罰はまず必要ではない。口頭で十分であろう。従来、教師は「愛の鞭」、「お前の為だ」などの名目で安易に体罰を行って来た側面は確かにあると思われる。スポーツで実績を上げた学校では、「体罰で厳しく指導したから強くなった。体罰やめれば弱くなるが、それでもいいのか?」などの雰囲気もあったと思われる。すると周囲は見て見ぬ振りし、指導教師が一層増長、傲慢になり、体罰が日常化するだろう。そんな安易な体罰を防ぐ為には大阪市桜ノ宮高校生の自殺以降の一連の「体罰禁止厳格化」の処置は効果があったものと思われる。しかしながら、他方で「先生はもう叩けない」と踏んだ生徒は、先生に対して自分の顔を突き出し「殴ってみろよ、教育委員会に言ってやるぞ!」と挑発する様な生徒の話を頻繁に聞くのである。指導する先生に対して、「ウザイ、黙れ!」などと小馬鹿にすれば、そんな馬鹿にされてる先生がやる授業は果たして成立するだろうか?校内における秩序と同じく極めて重要な問題が
教師の権威である。これ無くして、教育は成立しない。なぜなら、スポーツの技術指導でも学校の教育でも教える教師やコーチが軽視され馬鹿にされていたら、「あの人の言うことは正しいから信じよう」とは生徒は決して思わないからである。その重要な権威が崩壊する危惧を抱くものである。この教師の権威こそが重要なのである。これが崩壊すれば、教師が教師で無くなり、「ただのうるさい、おじさん、おばさん」になって、教育が教育で無くなり、学校が学校で無くなるのである。メディアでは、「まだでもあるのか!学校の体罰問題、変わらぬ学校現場の実態!」などと嘆く記事を配信している。
起きている現象のみに囚われ、問題の本質を見ていないと考える。
2 どんな問題が今後生じるか?
(1)絶対安心感がもたらす傲慢、慢心
最大の問題は、体罰禁止厳格化がもたらす「先生は叩けない」との生徒が持つ絶対安心感による教師に対する軽視であり、それがもたらす傲慢、慢心である。具体的に述べる。子供も大人も人間は、「やりたくても、これ以上はやってはいけない一線」や「やりたくなくても、これだけはやらなきゃいけない一線」を大なり小なり持って、自分の行動を律する。厳格なる一線の人もあれば、いい加減な一線の人もあるが、誰もが持っている。子供の時は、その一線は「叱られるから守る、厳しく叱られ叩かれそうだから絶対守る」により形成されるが、後者の方が遥かに強力な一線である。叩かれる恐怖感が伴うからである。(子供の価値観は親や教師の「褒める、叱る」で形成されるが、ここでは細部は省略する) 従来は、子供達の心の中に「これ以上やったら叩かれるかもしれない」不安感が生じ、「だからこれ以上はやめておこう」との生徒自身の自制に繋がったものと思われる。それが「禁止厳格化」により無くなれば、「何やっても叩かれない」との絶対安心感に繋がり、「何やっても許される」、「先生の言うことなんか聞かなくても大丈夫」になると考える。それは教師に対する軽視であり、権威の低下を意味する。この権威こそ教育の根幹問題である。権威とは、強制でなく無意識的に「あの人の言うことだから正しいはず。従おう」と思わせる暗黙の力である。ではなぜ根幹か?教えて貰う側の生徒が先生を軽蔑し、馬鹿にしていれば、教えて貰う内容を信用できないからである。即ち、教育が成り立たないのである。小学校高学年から、それまでの「大人の言うことは黙って聞く」良い子から脱皮し、大人の様相を帯びて来る。そして思春期になれば、大人社会、学校、教師への反発、反抗、権力への挑戦や強いものへの抵抗も当然生じて来る。それまでの人気のある「いい先生」だったのが、あることをきっかけに突然生徒の授業ボイコット、学級崩壊に繋がることがある。
(下段に続く)
講演内容・概要 区分: 教育・青少年育成
(上段から続く)
先日、仄聞した話だが、ある中学校のクラスで手の掛かる生徒が欠席している時、担任の教師が生徒の前で、当該生徒の悪口を言った。すると、翌日出て来た当該生徒に他の生徒が前日のことを話した。当該生徒は激昂し、他の生徒も「本人のいない時に悪口を言う先生は信用できない」と、同調し、授業ボイコットになってしまったそうである。権威も威厳も構築は大変だが、崩壊は一瞬である。極めて脆いのである。
この種の話をすると、多分予想される反論は、「体罰の恐怖感によってしか子供の指導ができないのか?教師として不適格でないか?」である。それには次のように考える。
昨今、駅員への酔客による暴行事件が多発しているそうだが、原因を推測するに、「制服着ている人間は決して自分に危害を加えない」との安心感が人間を傲慢にするのである。客の立場で店員やウエートレスを怒鳴り散らすのも同じ絶対安心感がもたらす傲慢である。我々大人はどんなに酔っていてもヤクザ風の怖そうなお兄さんに暴行したり、怒鳴り散らすことはないのである。確実に倍返しされるであろう恐怖感が行動を律しているからである。恐怖感が問題なのではない。恐怖感が無くなった怖いものなしの傲慢が人間を過ちに陥らせるのである。それがどれ程人間を横暴にし、謙虚さを喪失させるか。飲酒運転、薬物依存、盗撮癖も「自分が捕まる訳がない」との傲り、慢心である。それこそが問題である。人間には恐怖感、不安感、緊張感更には危機感が必要である。それらは根本において同一である。それが大き過ぎれば精神に異常を来たすが、完全に無くなってもまた、絶対安心感がもたらす傲慢と怠惰が潜んでいるのである。新入生、新入社員の初々しさは、不安故の緊張感の裏返しであり、五年、十年と経過するに従い、緊張感、恐怖感は消え去り、怠惰とマンネリに襲われがちになるのである。「初心を忘れるな」は新人の時の「不安感、緊張感を忘れるな」とほぼ同義である。「アリとキリギリス」の物語にしても、アリがせっせと夏場の暑い時に働くのは、冬の生活の厳しさがもたらす恐怖感である。だから恐怖感は子供、いや人間に必要なのである。だから生徒に「体罰は絶対ない」と思わせてはいけないと考える。権威失墜の抑止的手段である。そこで前述した「体罰の恐怖感によってしか子供の指導ができないのか?」の問い掛けに答える。体罰以外の恐怖感がないから、そうなるのであるが、ならば次の項で述べる「退学等の処分」制度導入による恐怖感で代替できると考える。確認しておくが、私は、「体罰で殴ればいい」とか「退学にすればいい」と言っているのではない。生徒のやり放題を抑制する手段にするべきと考えるのである。そもそもそんな問い掛けをするメディア自身、教師を見下し、「殴ってみろよ」と言う生徒にどんな指導が可能かを提示できるのか?大人自身が、飲酒運転は法律違反と知りながら、免停、懲戒処分等の罰則がもし無ければ、果たして「遵法精神」だけで法を守れるか。罰則の恐怖感が行動を律しているのである。綺麗事に過ぎないか?

(2)教師の権威低下による教師自身の無気力感
官庁でも会社でも組織であれば、どこの組織の上司でも部下に「うちの上司はやっぱり違う」と思われる権威の存在で在りたいと願う。しかしそれは簡単ではない。よしんば権威のない上司であっても部下は公然とそんな上司に対して「気に食わなきゃ殴れよ!」などとは決して言わない。言ったら「君、明日から出て来なくてイイから」と言われるからである。しかし今、学校ではそれが起きている。それが時折なら我慢もできようが、日常的に公然と「殴れよ!ウルサイ、黙れ!」と挑発、侮辱されれば、「教師としての権威なんか求めるから疲れるんだ。何も考えず、問題を起こさず、侮辱も気にせず、誇りも持たず、地位と給与が一番大事」として、無気力、事なかれ主義になることを願う教師も多く出て来るであろう。熱血先生も存在しないし、生徒は教師を軽蔑しているから授業など聴きもしない、当然成果も効果も上がらない。「馬鹿にされる先生」が普通になれば、東京都など教員希望者が少ないのに、その減少傾向に一層拍車をかけるだろう。学校は内部から崩壊するのでないか。まさに税金の無駄である。ではどうすれば良いのか?
3 執るべき方策
【第一案】;学校内の秩序維持(暴行、器物損壊、騒乱、侮辱、破廉恥等の防止)は最大の課題である。現状の体罰禁止厳格化を継続するのであれば、著しく秩序を乱した生徒に対しては、自宅謹慎、停学、退学等の罰則強化策の導入、法令化を行なう。

【第二案】;現行の体罰禁止規定を変更し、「原則禁止とし、例外規定の追加」とする。具体的には、校内秩序を著しく乱す(暴行、器物損壊、騒乱、侮辱、破廉恥等)行為を行った生徒、または行なおうとする生徒に対する体罰を例外事項とするのである。そして、「体罰によるしかない」理由、体罰の方法、程度、回数等の報告を義務付けるのである。そして第一案と同様、必要な法令改正を実施する。警察官の拳銃使用の場合と同様に、「やむを得ない場合」のみに使用が限定されることとするのである。
(下段に続く)
根拠・関連する活動歴 (上段から続く)
二案とも問題はあるだろうが、総じて言えば、第二案の方が退学が無い分、ベターではないかと考える。

4 そもそもなぜ秩序を乱す行為が生じるのか?
生徒の秩序を乱す逸脱行為の原因は家庭の問題や友人関係等種々あろうが、
直接的原因は、「授業が分からない」「分からないから面白くない。だから座っているのが苦痛」だからではないか?分からない子供にとっては、分からない授業を5〜6時間も聞かされれば拷問に等しいだろう。そんな子供は置いてきぼりにされ、塾にも行けない現実があったり、そんな子が中学、高校になり、爆発するのでないか。小学校時代の基礎的学力をどのように形成するかが極めて重要である。その基本は国語と算数である。特に算数はピラミッド型知識の構造となっており小数、分数などの計算ができないと中学の数学は全く理解できないのである。数学が分かる為には、算数の基礎を理解することが必須となり、理科、社会を理解するにも必須となる。小学校で如何に落ちこぼれを出さないかが重要である。そんな事は可能か?細部は講演プラン「」による。

5 許されない体罰がなぜ教師に許されるのか?ー沈没した韓国船船長脱出に対する世論の批判について考える
教師の権威を維持するためには、「先生だから体罰できる。先生は特別な存在」とし、「通常許されない体罰が生徒に対して行使が許されるのは、生徒が許されない行動をした場合に限られる。だから生徒として許されない体罰を受けることは、それほど許されない人間であることになり、それはとても恥ずかしいこと」と生徒に対して明確にすることが重要である。そして教師自身が権威の立場たるに相応しい資質を持つべく研鑽する必要がある。(具体的細部は省略)
また別の視点から言えば、教師に体罰が許されるとする根拠とし、国家が国家の秩序を守る手段として警察に物理的行使(暴力)を使用する権利を与え、また「人を殺してはいけない」大原則があるにも拘らず、国家は死刑制度により、人の命を奪う権利も持たされている。だからこそ、教師の体罰には法的根拠付けが必要である。
(字数制限から同名タイトル(その2)に続く)

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